ぶんげいしゃだより

都内のどこかにある「ぶんげいしゃ珈琲店」。今日も本好きが集まって、本について話に花を咲かせます――。by 文芸社

話題の作家・山田悠介さんのヒット作品をご紹介!!

いつもCモーニングにイチゴジャムをご注文される、

甘いもの好きのムローヴァさんより、おすすめの本を教えていただきました。

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皆さん、作家の山田悠介さんをご存知ですか?

 

『リアル鬼ごっこ』(2001年 文芸社)でのデビュー以来ヒット作を連発し、

今も根強い人気がある作家さんです。

 

数ある作品の中から、今回は『メモリーを消すまで』をご紹介します。

2010年6月に単行本で上下2冊同時刊行、2014年2月に文庫化されたこの作品。

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少し前まで、ホラーのイメージが強かった山田さんですが、

この作品は“感動サスペンス”なのです!

 

犯罪防止のため、全国民の頭に埋められたメモリーチップ。

「記憶削除」を執行する組織MOCの相馬誠は

腐敗はびこる所内の権力闘争に巻き込まれていく。

 

実権を掌握しようとする黒宮の真の目的はなんなのか? 

そして争いに巻き込まれたストリートチルドレンの悲劇とは?

 

近未来日本が舞台。なんと人の記憶が操作できるんです。

そこで起こる事件と、記憶争奪戦。記憶を消すか、消されるか―――。切ないけれど感動のラストが待っています。

 

フィクションですが、本当に起こるのでは……と感じさせる設定に、ドキドキがとまりません!

長編にも関わらず、いつの間にか夢中になって、あっという間に読み終えてしまいました。

 

冬休みに山田作品をじっくり味わいたい方におすすめです♪

 

  

 

設定やタイトルが秀逸で、本選びから読み終えるまで楽しい山田作品。

 

山田悠介さんデビュー10周年を記念して出版された『山田悠介コンプリートガイド』(2011年 文芸社)の中で、映画「リアル鬼ごっこ」の監督 柴田一成さんは、このようなことを仰っています。

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山田作品の魅力は一言で言えば、等身大のエンターテインメントである。つまり若い人たちに、もし自分がこんな状況に置かれたりあんなめに遭ったら、と思わせる感情の描写がうまい。――中略―― ひらめきや思いつきで突っ走るものだけでなく、その時々の社会問題や流行を巧みに取り入れていることも見逃せない。

 そしてなにより、どうやって人を楽しませるかに主眼を置いているところがいい。僕はプロデュースであれ監督であれ、基本的にはエンターテイメント作品を作りたいと思っており、そこが山田氏と共通している。私小説的な作家性を謳ったものよりも人を飽きさせない娯楽作品を作る姿勢に共感を覚えるのだ。

(『山田悠介コンプリートガイド』2011年文芸社 192頁より抜粋)

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気になった方は、是非この機会に山田作品を手に取ってみてください。

 

今後の山田悠介さんのご活躍、応援しています!