ぶんげいしゃだより

都内のどこかにある「ぶんげいしゃ珈琲店」。今日も本好きが集まって、本について話に花を咲かせます――。by 文芸社

ホンシェルジュの本棚 5

 

ぶんげいしゃ珈琲店のホンシェルジュ、カンブルランです。

ホンシェルジュは、本のコンシェルジュ。

文芸社から出版された本の中から、これはと思う一冊をおすすめします。

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体は不自由でも 心は自由です。 

空を飛びます。

風を切って走ります。

楽しい歌を歌います。(帯より抜粋)

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 今回ご紹介するのは、『北風ぼうや おおあばれ』 さく・え  なみき のりこ

進行性難病のALSで闘病中の著者が1年かけて描いた絵本です。

 

作者 のりこさんは絵筆を握ることが出来ず、なんと頭を動かして絵を描いています。

一色ならまだしも、これだけの色を使って背景まで丁寧に仕上げるというのは

並大抵のことではありません。

 

子供たちの内面を豊かにする取り組みに長年心を傾けてきた作者。

この難病を得てもなお揺るぎなくそれを追い求める「想いの強さと努力」に、

たくさんの勇気をもらいます。

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何と言っても東西南北の風を擬人化して4兄弟とするアイデアが楽しい。

いつも互いに遠くから見守り、それぞれの持ち場で役割を果たしている。

「はるです。はるが やってきました。」という言葉のとおり、

心が温まり清々しい余韻が残ります。

ぜひ、あとがきも読んでください。

そして多くの子どもたちに届けてください。

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書籍詳細 : 北風ぼうや おおあばれ - 文芸社