ぶんげいしゃだより

都内のどこかにある「ぶんげいしゃ珈琲店」。今日も本好きが集まって、本について話に花を咲かせます――。by 文芸社

心がホッとするミステリー!!

 

シナモンオーレを愛する、歌姫フレミングさんから話題本の情報です。

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寒い季節にぴったり、読みやすくて心温まる連作短編ミステリー。

『ひまわり探偵局』 と「ひわまり探偵局2」著:濱岡 稔

 待望の第2弾は全編書き下ろし作品です。

「見つけるのは心の鍵、届けるのは人の想い」

ほのぼの系の名探偵・陽向万象と、寝ぐせ頭の助手・三吉菊野が繰り広げる、

やさしくてちょっと切ない事件の謎解き。

ミステリーの醍醐味は謎解きの面白さ。そして非日常の中での人間ドラマでしょうか。

本作のカバーのイラストは、若手人気イラストレータの代表格 げみさん。

手に持つだけで不思議と癒されるイラストです。

「文教堂川口駅店」での展開の様子を紹介します。

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 2巻から読むか、1巻から読むかはあなた次第です。

書籍詳細 : 【文庫】 ひまわり探偵局 - 文芸社

書籍詳細 : 【文庫】 ひまわり探偵局2 - 文芸社

人生は迷走の連続だ!!                底抜けに明るく前向きな24歳の女性が送る、   統合失調症と向き合う日々とは

 

編集作業に愛を注ぐネトレプコさんから気になる書籍情報が入りました !!

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「美和はアクセル全開かエンストしか知らない。ブレーキを踏むことをこれから覚えな」……この言葉の意味を、ようやく理解し始めています。

 

『統合失調症セキララ とーしつ娘は問題児?』藤木美和・著

 冒頭のセリフは、当時勤めていた介護施設の上司・中俣さんが、主人公・美和の病気を知ったうえで、言ってくれた言葉です。

24歳になった美和は、この言葉をまっすぐに受け止められるようになったわけですが、 それまでの紆余曲折に彼女の生きづらさや苦しみを見つけることができます。

そして、それが読み手側の感情や経験の断片とリンクし、浸透していくように感じるのです。

 

この作品を読んで、驚かされるのは、その底ぬけに明るい主人公の姿です。

いじめ、性被害、パニック障害、自殺未遂……。

読んでいて胸が痛くなるほどの辛い出来事が襲ってきますが、ときにこちらが心配になるほどに楽観的に、ときに考えすぎて大きく回り道をしながら、それでも前向きに人生を突き進んでいきます。

その姿からは、この作品がただ「統合失調症の人の闘病記」とだけにくくることができない、人間の「生きる底力」のようなものを感じずにはいられません。

 

真面目な話が続いてしまいましたが、作風はユーモアあふれる明るさで満ちています。

アスペルガーの彼氏ができて、互いにうまく感情が伝え合えずに悩み、交換日記で関係を修復していく話など、個人的には自分自身の恋愛にも通じるところがあって、思わず「ふむふむ」とこれまでの過去の恋愛での失敗を重ねながら読みふけってしまいました。

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統合失調症という病気について知りたい人はもちろん、人生に悩んでいる人にも読んでほしい一冊です。

書籍詳細 : 統合失調症セキララ - 文芸社

ほとばしり出る 愛の強さ、そして切なさ!

一緒にココアを注文される、色黒のドミンゴさんから気になる詩集情報が入りました !!

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「私の心の中にしまっておいた言葉たち、物語たちを、解放してあげる時がきたみたい。」

詩集『レイキャビックで朝食を』作:山田浩古さん。刊行2005年1月。

白をバックに洒落たイラストが印象的なカバー。帯もクリーム系で白が浮き立つ。

イラストとタイトル文字に一体感を持たせたデザインも魅力です。

「優しさと繊細な感性」を感じるお洒落なタッチのイラストが、

本文中に散りばめられています。

強い想いが込められたワードとセンテンスの掛け合いが異次元へ誘う。

このストーリー性のあるポエムを読むと、詩の世界は無限と感じます。

…時を忘れ…夢の中…余韻…

 

「レイキャビック」は北限の国の首都名、タイトルにも意味があります。

 

少女のような純粋さ、大人しか知らない愛。

ハッと時間を止めてしまう"言葉のチカラ"。

男性なら、誰しも胸を締め付けられる瞬間を覚えるでしょう。

勿論、女性の方々も共感されるでしょう。

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ラストも衝撃ですが、冒頭をご紹介します。

     人生の地の果てで

     偶然出会ったあなたが

     忘れられない。

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棚に置いてもアートを感じるデザイン。

不思議とグランドピアノとの相性がいい!?

書籍詳細 : レイキャビックで朝食を - 文芸社

SNSで大反響 涙よりせつないラブストーリー!

ミックストーストを愛する男、ブレンデルさんから書店展開の情報が入りました !!

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「死ぬ準備はできた。だからあとは精一杯生きてみるよ。」

小坂流加さん著の『余命10年』。発売3か月で7刷15万部を突破しました。

元々は2007年に文芸社から自費出版された作品ですが、

新鋭作家を発掘する新レーベルの文芸社文庫NEOの担当者の目に留まり、

改稿のうえ発刊された本です。

20代、女性。余命10年という避けられない未来。

10年は長いのか?短いのか?切実な描写に、いつの間にか涙が溢れる。

表紙の裏に記載された著者プロフィール

「7月4日生まれ。静岡県出身。第3回講談社ティーンズハート大賞で気大賞を受賞。

本作の編集が終わった直後、病状が悪化。刊行を待つことなく2017年2月逝去。」

命をかけて書き切った本を全国の読者のもとに届き、大きな感動を与えています。

「ブックエキスプレス新宿南口店」での展開の様子を紹介します。

 

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「是非、映像化をしてほしい」と、たくさんのお便りもいただいています。

書籍詳細 : 【文庫】 余命10年 - 文芸社

 

世界にひとつだけ 書き込み式の成長記録!

 

小倉トーストを愛する男、 名古屋のアマデウスさんから、再び話題本のおしらせです。

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子どもの成長を自由に書き込み、 親子がじっくりと向き合う時間をつくるための本です。

『親が子どものために書く 世界にひとつだけの本』 企画・構成:山下博

本書の使い方に、こんな記載があります。

「子育てで迷ったり焦ったりした時には、この本を開いてゆっくり読んでみてください。きっとあなたを癒し、成長させてくれるでしょう。~中略~この一冊は、宝物であるお子さんのために、それとあなた自信にも笑顔を勇気を与えてくれる、お金では買えない最高のプレゼントになるでしょう。」

思い出ノートとも言える、自分だけの本。まさしく`世界にひとつだけの本`。

お子さんが幼稚園・小学校に通っている方も利用できます。成長した時、子どもが覚えていない出来事や夢を振り返ってみてください。

「谷島屋ららぽーと磐田店」での展開の様子を紹介します。

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ブルー・イエロー・ピンクと3種類の表紙が選べます。あなたは何色を選びますか?

書籍詳細 : 親が子どものために書く 世界にひとつだけの本 BLUE - 文芸社

 

ホンシェルジュの本棚 3

 ぶんげいしゃ珈琲店のホンシェルジュ、リヒテルです。

ホンシェルジュは、本のコンシェルジュ。

文芸社から出版された本の中から、これはと思う一冊をおすすめします。

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3回のテーマは「ビッグデータ!?」

今回ご紹介するのは、

『ドリームワールド 記憶共有世界 ─The bigdata simulator machine─』

 D Mito:著

 

 ドリームワールド……それは、究極のSNS

インターネットの普及とIT技術の進化によって生まれたビッグデータ。

人の記憶をはじめ、全世界のデータによって構築された仮想地球。

近未来、ビッグデータが全面展開され、人々の生活が変わってしまった世界を描き、

壮大なスケールで展開する近未来予測したハイスピードサスペンス小説です!

 

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本作品は「本が好き!」という書評サイト、

書評ランキングで、なんと1位になりました。

本が好き!書評ランキング(total)【本が好き!】(毎日更新)

 あ!こんな書評も見つけました。

 有坂汀さんの書評

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現実の世界と仮想の世界。

独特な発想力を持つ著者のオリジナリティ、こんなアイデア思いつきません。

ビッグデータがお好きな方は勿論、ライトノベル好きにもおススメです。

書籍詳細 : ドリームワールド 記憶共有世界 - 文芸社

 

ホンシェルジュの本棚 2

ぶんげいしゃ珈琲店のホンシェルジュ、ポリーニです。

ホンシェルジュは、本のコンシェルジュ。

文芸社から出版された本の中から、これはと思う一冊をおすすめします。

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第2回のテーマは「大切なものは何?」です。

今回ご紹介するのは、

『さがしにいこう』はらなお:文・絵

「小さなもりの小さなおうち」を舞台にした幸せを呼ぶ物語。

風邪をひいて寝込んでいる友達に「いいもの」を探してあげようとする、こぐまを描いた絵本です。

独特なタッチと透明感のある美しい色合いは、異次元の世界へいざないます。

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「いいもの」を探しにいくこぐまが、すてきなマーケットにでかけ、本屋によったり・かばん屋・ケーキ屋と迷いながら探します。

そうそう、結末は、はっとして心が洗われます。

普段気が付かないところに大切なものがあるのだと、作者の繊細な心遣いを感じる温かな仕上がりです。

他人を思いやること、これほど幸福なことは無いかも知れません。

読み手の心を満たす、ほのぼのとしたストーリー、多くの子どもたちに「よみきかせ」をしたい絵本です。

そうすれば、あなたも幸せな気持ちになるでしょう。是非、手に取ってください。

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初版第1刷に文章の誤りがございます。(2017年1月15日初版第1刷)

16頁の3行目、「はなたちは」となるべきところが、「なはたちは」となっています。

 お詫びして訂正させていただきます。

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書籍詳細 : さがしにいこう - 文芸社