ぶんげいしゃだより

都内のどこかにある「ぶんげいしゃ珈琲店」。今日も本好きが集まって、本について話に花を咲かせます――。by 文芸社

きまってホットココアを注文される、ロベルト・シューマンさんから話題本の情報です。

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『巡る想い ~忘れな草~』草陰忍:著

2018年10月刊行

 
あの邂逅の時より数年の歳月が流れ、森下真一の妻理沙子は認知症周辺症状の異変を見せ始める。教師となった水沢しのぶは、学級崩壊の危機に瀕し、気を病んでしまう。 風木誠は転職、生活保護世帯の学習塾の塾長に就任したが……。

 

リアリティーあふれる物語世界の中に、新人教師の苦悩、生活保護受給世帯の負の連鎖、認知症への取り組み、親子の確執等をしっかりと織り込んだ一作

 

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生活保護、認知症、教育現場の問題――。
苦難を前にしても、意思を持って立ち向かう登場人物たちには、
人生の歩み方を考えさせられます。

 

書籍詳細 : 巡る想い ~忘れな草~ - 文芸社

https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-19968-9.jsp

      

www.bungeisha.co.jp

 

毎朝ウィンナーコーヒーを注文される、 ワーグナーさんから話題本の情報です。

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『沈船爆破 極限のソ満国境戦線 知られざる真実』大塚 正茂:著

 2018年2月刊行!

 
終戦時の満州、若き見習士官が強力なソ連軍を相手に
勇気と知力を尽くして戦った記録――
 

 
学徒出陣で陸軍に入り、工兵隊の見習士官として黒竜江省のチャムスへ向かった若き見習い士官。

師団参謀からじきじきに受けた命令は、ソ連軍艦隊の松花江遡上を妨げるための「沈船爆破」であった・・・・・・。


実際の戦場を知る著者による体験談は、現場の真実を語っています。

生死をかけた戦いを、飾らず、誇らず綴った本書は、

後世に伝えるべき、太平洋戦争の真実の1ページでしょう。

 

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戦後に生まれた世代は、主に戦争の負の部分を教わってきました。

しかし、実際の戦場で戦った人たちはどのような気持ちで銃を握り締めていたのでしょう?

後悔し、恥じるばかりの歴史ではなく、誇るべき先人たちがそこには居たはずです。

https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-19040-2.jsp

ユル~い脱力系の可愛い絵本です!

 

 

ブラックコーヒーを愛する ヨナス・カウフマンさんから話題本の情報です。

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『とりさん、とりさん』作:みきさん

 2018年2月刊行!

 

「しあわせは、ちかくにあるよ。すてきなえがおがかくれている、かわいいえほん。」

 

 なんといってもイラストがカラフルでカワイイ!

しかも、リズミカルに語りかけるストーリーに ホットされます。

そして、最後のページには「3つのしあわせ」が隠れています。見つけられるかな?

「とりさん、とりさん」の呼びかけに、様々な「とりさん」が登場。

脱力系でみんな魅力的なキャラクター!

イイ味を出してますよ。

 

 f:id:bbreviews:20180521132917j:plain私たちも読んで思わず笑顔になりました。

お子様たちも きっと目を輝かせるでしょう。

みなさんも、ユル~いキャラクターに癒されませんか?

書籍詳細 : とりさん、とりさん - 文芸社

ホンシェルジュの本棚 5

 

ぶんげいしゃ珈琲店のホンシェルジュ、カンブルランです。

ホンシェルジュは、本のコンシェルジュ。

文芸社から出版された本の中から、これはと思う一冊をおすすめします。

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体は不自由でも 心は自由です。 

空を飛びます。

風を切って走ります。

楽しい歌を歌います。(帯より抜粋)

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 今回ご紹介するのは、『北風ぼうや おおあばれ』 さく・え  なみき のりこ

進行性難病のALSで闘病中の著者が1年かけて描いた絵本です。

 

作者 のりこさんは絵筆を握ることが出来ず、なんと頭を動かして絵を描いています。

一色ならまだしも、これだけの色を使って背景まで丁寧に仕上げるというのは

並大抵のことではありません。

 

子供たちの内面を豊かにする取り組みに長年心を傾けてきた作者。

この難病を得てもなお揺るぎなくそれを追い求める「想いの強さと努力」に、

たくさんの勇気をもらいます。

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何と言っても東西南北の風を擬人化して4兄弟とするアイデアが楽しい。

いつも互いに遠くから見守り、それぞれの持ち場で役割を果たしている。

「はるです。はるが やってきました。」という言葉のとおり、

心が温まり清々しい余韻が残ります。

ぜひ、あとがきも読んでください。

そして多くの子どもたちに届けてください。

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書籍詳細 : 北風ぼうや おおあばれ - 文芸社

 

話題の作家・山田悠介さんのヒット作品をご紹介!!

いつもCモーニングにイチゴジャムをご注文される、

甘いもの好きのムローヴァさんより、おすすめの本を教えていただきました。

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皆さん、作家の山田悠介さんをご存知ですか?

 

『リアル鬼ごっこ』(2001年 文芸社)でのデビュー以来ヒット作を連発し、

今も根強い人気がある作家さんです。

 

数ある作品の中から、今回は『メモリーを消すまで』をご紹介します。

2010年6月に単行本で上下2冊同時刊行、2014年2月に文庫化されたこの作品。

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少し前まで、ホラーのイメージが強かった山田さんですが、

この作品は“感動サスペンス”なのです!

 

犯罪防止のため、全国民の頭に埋められたメモリーチップ。

「記憶削除」を執行する組織MOCの相馬誠は

腐敗はびこる所内の権力闘争に巻き込まれていく。

 

実権を掌握しようとする黒宮の真の目的はなんなのか? 

そして争いに巻き込まれたストリートチルドレンの悲劇とは?

 

近未来日本が舞台。なんと人の記憶が操作できるんです。

そこで起こる事件と、記憶争奪戦。記憶を消すか、消されるか―――。切ないけれど感動のラストが待っています。

 

フィクションですが、本当に起こるのでは……と感じさせる設定に、ドキドキがとまりません!

長編にも関わらず、いつの間にか夢中になって、あっという間に読み終えてしまいました。

 

冬休みに山田作品をじっくり味わいたい方におすすめです♪

 

  

 

設定やタイトルが秀逸で、本選びから読み終えるまで楽しい山田作品。

 

山田悠介さんデビュー10周年を記念して出版された『山田悠介コンプリートガイド』(2011年 文芸社)の中で、映画「リアル鬼ごっこ」の監督 柴田一成さんは、このようなことを仰っています。

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山田作品の魅力は一言で言えば、等身大のエンターテインメントである。つまり若い人たちに、もし自分がこんな状況に置かれたりあんなめに遭ったら、と思わせる感情の描写がうまい。――中略―― ひらめきや思いつきで突っ走るものだけでなく、その時々の社会問題や流行を巧みに取り入れていることも見逃せない。

 そしてなにより、どうやって人を楽しませるかに主眼を置いているところがいい。僕はプロデュースであれ監督であれ、基本的にはエンターテイメント作品を作りたいと思っており、そこが山田氏と共通している。私小説的な作家性を謳ったものよりも人を飽きさせない娯楽作品を作る姿勢に共感を覚えるのだ。

(『山田悠介コンプリートガイド』2011年文芸社 192頁より抜粋)

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気になった方は、是非この機会に山田作品を手に取ってみてください。

 

今後の山田悠介さんのご活躍、応援しています!

ホンシェルジュの本棚 4

ぶんげいしゃ珈琲店のホンシェルジュ、アリス=サラ・オットです。

ホンシェルジュは、本のコンシェルジュ。

文芸社から出版された本の中から、これはと思う一冊をおすすめします。

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師匠のジョニー・ゲップが安アパートで急死した。

死に水をとったのは新弟子だった。

 

『ジョニー・ゲップを探して 幻の浅草ピン芸人』

阿野 冠・著(文芸社文庫 2017年12月刊行)

 

今回ご紹介するのは、12月に文庫化した

小学4年生から子役として活動し、『R‐1ぐらんぷり』では準々決勝まで進出した某J事務所の元アイドル、阿野 冠さん衝撃のデビュー作。

 

阿野さんはこの小説が単行本で出版された2009年当時、なんと高校生だったそうです。

 

主人公のモデルは作者自身。

周囲の理不尽な行動、めちゃくちゃな出来事の中、楽しみながら頑張る主人公、禅。

彼の一挙手一投足に若い勢いが詰まっていて、読み進めればいつの間にか応援したくなっているはず。

 

目次タイトルが第1章から終章まで、俳優「ジョニー・デップ」の映画出演作で構成されているのもまた楽しく、年齢を感じさせないアイディアに驚かされます。

 

文芸社文庫からの刊行ですが、まるで文芸社文庫NEOの様な、自由な感性で創作されたしっかり面白い作品です。

 

カバーイラストはイラストレーターのふすいさんが担当してくださいました。

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大人になると忘れがちな、青春時代ならではのスピード感や思い切りの良さが

爽快に感じられ、読後はすっきりとした気持ちになれるのではと思います。

 

 

最近なんだかもやもやするなぁ……なんて思っている方に、特におすすめです。

書籍詳細 : 【文庫】 ジョニー・ゲップを探して - 文芸社

会社社長の密室殺人事件は「真の事件」の道具にすぎない。                        新奇かつ驚愕のミステリー。

 

 アメリカンコーヒーを愛する、パヴァロッティさんから話題本の情報です。

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 暖房でぼやついた頭もキリリと覚めさせられる。

「つかまり屋」著:千野 修市

刊行2017年11月 好評発売中!

 

ー彼の副業は“逮捕される”ことー

会社社長が密室で他殺体となって発見されたことからはじまる事件。

妻、娘、息子、そして秘書……最も不審なのは?

タイトル・表紙の通り、意図した誤認逮捕を中心に進む物語です。

表と裏の謎解きに、あなたはきっと翻弄されることでしょう。

 

 「あおい書店川崎店」での展開の様子を紹介します。

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本作品は殺人事件の裏に潜む、真の事件を描く新奇なる推理小説です!

ぜひ、手にとって見てみてください。

書籍詳細 : つかまり屋 - 文芸社